FiFTEEN
「ごめん、いっとくん。アタシ焦っちゃって!何でもないの!」

いっとくんとは、伊藤くんのこと。
津賀は、人を変なあだ名で呼ぶことが多い。

ちなみにオレのことは、瀬名きゅん。



「そうなの?何かされたのかと思った…」


いっとくん=伊藤くんは、津賀に好意を持っているらしい。…んー…魅力がいまいちわからない。


「…チヨ、部長は?」

「あ、そうだった!忘れてた!!カメラカメラ…」

机においてあるカメラを取る。


「でわ!パトロール行ってきます!」


そう言ってまた部室を出た。


「声でかいんだから。」

「…あ、ちなみに津賀はなんでこの部活に入ったんだろ?」

「わかんない。あの子、あんま自分のこと話さないんだよね~。」

「ふーん…」

意外だな、何でも話そうなのに…


「あのさ、あんま人のこと干渉しないほうがいいんじゃない?言いたくないことだってあるだろうし…」

伊藤くんが言った。

「別に、無理には聞いてないし…」

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