FiFTEEN
しかも、よりにもよって…今日は、金曜日。



「お昼の放送を始めます。今日は、みんなが夏に聞きたい恋うたベスト5っ!を流したいと思いまぁす。」

このテンション高い津賀と昼の放送が一緒なのだ。



「…って、ちょっと瀬名きゅん!離れすぎでしょ!」

ドアの前で飯を食おうとしたオレは、津賀に腕を引っ張られる。


「あああ~…わかったわかった…食べます食べます、座って食べます。…だから引っ張らないで下さい。」

「なにそれ。…変な言い方。」

「すんません…」



いくらなんでも、2人きりはヤバイでしょ!
意識しちゃって、山田くんの本のことばっかが頭に浮かんでくる。


「瀬名きゅん、最近おかしいね。」

「そ、そう?」

「うん。……ひんなほいっへは。(みんなも言ってた)」

津賀はコンビニ弁当を口いっぱいに頬張って喋る。

…そういえば、津賀は弁当を持ってきたことがない。
いっつもコンビニで買うパンや弁当を食べている。


「…母さんは、弁当作ってくんないの?」

「…お母さん?…うん、忙しいから。」

「ふーん…父さんは?」

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