FiFTEEN
「お父さんはー…えっと、朝早いからそれどころじゃないんだ。…忙しい家なの。」


「よく金あるね。」

「金はいっぱーいある。」

「嫌みかよ。」


津賀は笑った。


「あ…この曲ね、アタシ好きなんだ。」

「なんで?」

「歌詞が、お母さんとお父さんのこと書いてるみたいで、温かい気持ちになるんだぁ…」

そう言った津賀は、見たことない優しい顔をしていた。

「うん。…いい曲だと思う。」


素直に言えた。





今日は学校で会議があるらしく、部活がなかった。
帰りは渋谷と…。

「最近の~はるちゃんは~何か~おかしい。…やっぱ恋をすると違うんだね!」

「……誰が恋だよ!?」

「はるちゃんよ。あんたよ、あんた。」



「何言ってんの?」

「もうバレバレなんだから。…あ、でもそうか。のえるとライバルになっちゃうんだもんね。あんなイケメンくんに勝てっこねぇよ…」

「…うっさいな、勝つとか負けるとかじゃないんだよ。」

「チヨりんは日向にはない魅力を持ってるからねぇ!」

「もう…おまえうるさい!」

オレの態度はバレバレらしい…そうか!だから、伊藤くんはあんなに冷たいのか…




「いて…」

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