FiFTEEN
渋谷が最も苦手とするやつ。
ヤクザとつるんでるとか、
極道の女と付き合ってるとか、
マフィアに仲間がいるとか、
パトカーに乗ったことがあるとか、
恐怖の手紙を送ってくるとか、
宇宙人と交信できるとか、
UFOに乗ったことがあるとか、
どこまで本当かはわからないけど…
まぁこのぐらいにして、そんなやつが放送部になんの用だろう。
「伊藤かえるっているか?」
…え?今なんと…?
「伊藤かえる…ですか?」
渋谷が緊張して恩田に聞く。
「うん…」
「…目の前に…」
縦も横もデカい恩田は目だけを動かし、伊藤くんを見た。
「おまえ、かえる?」
「のえる。」
伊藤くんだって、恩田には背の高さは負けてない。
むしろ数センチ伊藤くんの方が高いかも。
「頼みがある。」
なんで恩田くんはカタコトな喋りをすんだ?
「何でしょうか!?」
伊藤くんじゃなくて、渋谷が言った。
「今度、街フェスがある。そこに一緒に出てもらいたい。」
街…
フェス?
…
『え゛~~!?』
声をそろえて叫んだ。