FiFTEEN

*街フェスとは、
この街での音楽祭みたいなビッグイベント。出る人は数々の試練をこなし、上位に入ったグループじゃないと参加できないルールになっている。だから、音楽を愛する者にとっては最高の舞台ってこと。


そんなとこに恩田が興味あるなんて、それこそビックリだよ…。


「オレたち、サンダーサンは4人のグループなんだが…」


サンダー…雷?

サン…太陽?



…どっちだよ!?


「一人腕骨折して、ギター引けなくなった。それでかえるが、」

「のえる。」

「か…のえるがギター弾けるって聞いた。沢木から。」


……

『え゛~~!!』

これもまたビックリ。


「弾けんの伊藤くん!?」

「今はもうやってないし、やだ。」


「中学最後だから…」

「やだ。」

「やれよ、のえる。まだ受験なんて先なんだし…少しぐらい遊んだって…」

「受験より大事なもんなんてない。…そこどいて、邪魔。」


恩田の体がドアをふさいでいる。
伊藤くんの顔をじっと見つめている。顔が怖い…
その瞬間、

「…頼む!!!!!」

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