色つきリップ〜紅い唇〜
 


「オレは謝らねえよ?」


「……え?」


「お前の足ケガさせたこと。それに……」


大野は大きく息を吐くと、その大きな手で自分の髪の毛をかきあげて言った。


「お前見てると、ムカつく」


「そんなに……わたしが嫌いなの……?」


「てゆーか、お前は何がしたいの?オレと彩香の仲を取り持ったり、斎藤と遊びに行こうとしたりさ。オレの気持ち弄んでそんなに楽しいか?」


「違……」


「オレの側で造り笑いするお前見てると、ムカついてしょうがねえ」



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