色つきリップ〜紅い唇〜
「お前が欲しくて堪らない……」
わたしの瞳を見下ろす大野の顔はとても苦しそうで。
わたしまで苦しくなる。
わたしの唇も
耳たぶも
震える肩も胸も
細い腰も
おへそもフトモモも
わたしの真ん中
『女の子』の気持ちまでも
大野の大きな体の下で
わたしの髪の毛も
まだまだ育っていくこの気持ちも
大野に捕われそうで
大野に折られそうで
大切に守ってきたモノ
『欲しい』とか
『あげる』とか
まだわかんないよ
まだ夢を見たいよ
まだ包まれていたいよ
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