色つきリップ〜紅い唇〜
 


『協力して!!』


何も知らずに笑う彩香の言葉に、わたしは笑顔で頷くしか出来なくて。


そう、


あの日、彩香からのラブレターを大野に渡したんだ。


『断ってくれるかな?』


『まだわたしのこと、好きでいてくれるかな?』


そう信じたかった気持ちは確かにあった。


でも。


その日から二人は


大野と彩香は付き合い始めた。


とても仲のいい二人。


付き合い始めて、もう半年が立つ。


わたしのこの気持ちは


あの頃のまま変わることはなくて。




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