色つきリップ〜紅い唇〜
「あーあ、ホントに美咲が羨ましいなぁ!」
彩香がわたしの肩を叩きながら言った。
「美咲を好きになる男の人ってみんなイイ男なんだもん」
そう言って彩香は俯いた。
「彩香?」
「美咲の周りの男の人ばかりを好きになって……わたしのこと嫌なヤツだと思う?」
「思わないよ!」
わたしは彩香に言った。
「素直に人のことを『好き』って言える彩香はすごく可愛いくて……大好きだよ?」
「美咲、ありがと……ごめん……ホントにごめんね」
小さい彩香の体をわたしは抱きしめた。
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