色つきリップ〜紅い唇〜
 


「やっぱりカッコイイですね、大野キャプテン」


桃ちゃんの声に、わたしの時間が動き出す。


「ホント、大野ってばずっとバスケットやってればいいのにね」


おどけた調子で桃ちゃんに答えた。


真顔で見つめる桃ちゃん。


「美咲先輩……」


「どうしたの?」


真剣にわたしを見つめる桃ちゃんに問い掛けると


「わたし、美咲先輩のこと応援していますから」


そう言った後、桃ちゃんは新入生のマネージャーとスポーツドリンクの入った水筒を持って部員達のところへ駆けて行った。





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