色つきリップ〜紅い唇〜
 


「まったく美咲は素直じゃないんだから!
いつまでも意地張ってると、また誰かに取られちゃうよ?」


「そんなの嫌だ!」


「よろしい」


満足そうに何度も頷く彩香。


「ありがと、彩香」


わたしの言葉に、少し照れたように彩香が言った。


「なんて、わたしが言える立場じゃないんだけど!」


またわたしたちは声を上げて笑う。




心の重りが消えて


体が軽くなる


今なら飛べそう


そんな気持ちさえして


『ごめんね』も


『ありがとう』も


言葉だけじゃ足りない



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