色つきリップ〜紅い唇〜
 


出来ることなら


今この教室のドアが開いて


そこに大野がいちゃったりして


「部活行こうぜ」


そう言ってくれたなら


「うん」


わたしはそう言って


大野の後をついて行くのに……




「……ドア、開け」


願いを込めて言ってみた。


「ドア、開け」


……


静まり返るドアを見て、自分自身に呆れてしまう。


「……そんなことあるはずないか」


少し肩を落としながら、



今日は雨だし


また晴れた日に……


ううん


明日ならもう少し頑張れるかも……



つい言い訳ばかりを考えてしまう


その時


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