色つきリップ〜紅い唇〜
 


「大野……また汚れちゃうよ……」


「そんなんいーよ。オレがこうしていたいの」


「でも」


「『ごめん』なんて言うからめちゃめちゃびびった」


「あ……ごめん」


「『ごめん』はもうナシ」


「……はい」


「美咲」


「……はい」


「キスしていい?」


「……はい?」


わたしの体を包む力がそっと柔らかくなって


掌を組んだ大野の腕の輪の中でわたしは言った。


「……だ、だめ……」




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