色つきリップ〜紅い唇〜
 


「わたしも大野キャプテンに言ったんですよ。『どうしてそんなに無茶をするんですか?』って。そしたら……」


「そしたら?」


「『どっかのバカが責任感じてっから』……だそうです。」


「……」


言葉にならない。


「大野キャプテンは『責任感じて』部活に来なかった美咲先輩のために頑張ってたんですよ」


本当に……わたしはなんてバカだったんだろう


こんな風に、大野はいつもわたしのこと考えてくれていたのに


大野のこと『好き』なんて思いながら、わたしはいったい何を見ていたんだろう



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