色つきリップ〜紅い唇〜
「交替!!」
3on3の終了の笛の音が鳴って。
大野がコートから出る時、わたしと目が合った。
Tシャツで汗を拭いながらわたしに向けたいつものVサイン。
わたしもいつものようにVサインを返した。
「美咲先輩。わたし、本当に嬉しいんですよ」
桃ちゃんが不意にわたしにそう言った。
「ん?」
「いつもやりますよね。大野キャプテンと美咲先輩のそのVサイン。お互いにすごく想い合っているって感じで……ずっとそんな二人に憧れていました」
「想い合って?ち、違うよ?ただ、大野がいつもしてくるから……」
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