色つきリップ〜紅い唇〜
「似合うよ」
「……似合わないよ。だから、今わたし洗いに行こうと……」
言い訳みたいに慌てて話すわたしをじっと見て、斎藤くんは真顔で言った。
「似合う。可愛い」
「あ……あり、がと」
ドギマギしながらお礼を言うわたしに、斎藤くんは変わらず爽やかな調子で言う。
「美咲ちゃん、大野とうまくいってんだ?」
「えっ!?な、なんで……」
「わかるよ。ずっと美咲ちゃんを見ていたから美咲ちゃんが誰を好きか、なんて」
「斎藤くん……」
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