色つきリップ〜紅い唇〜
 


「まあ、『大野が嫌になったらオレのところに来い』って言いたいとこだけど、もうダメだな」


「え……?」


斎藤くんはわたしを優しく見て言った。


「オレ、さっき彩香ちゃんに告白されたから、さ」


「そ、それで、彩香とは……?」


願うような気持ちで、斎藤くんに聞いた。


「うん。付き合った」


「そうなんだ、よかった……」


「オレさ」


安堵の息をついたわたしに斎藤くんが言った。


「ホントに美咲ちゃんのこと、好きだったんだよね」


「……」






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