色つきリップ〜紅い唇〜
愛に濡れた唇がそっと離れた瞬間、時間は動き出してしまう。
逞しい大野の両腕に包まれて
わたしはただ俯く
明日からはまた
日常を繰り返す
だけど
隣には大野がいる
どこに向かう?
その答えはまだ出ない
大野の顔をそっと見上げた時
差し出された大きな手に
体の中から沸き上がる
この熱い気持ち
行先なんて知らない
たどり着いた場所がきっと『答え』になる
重なる手に
また涙が溢れた
こんなわたし
知らなかった
こんなにも大野が好きだって
知らなかった……
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