色つきリップ〜紅い唇〜
 


「ちょっと鏡を見て来……」


答えながらながら大野の顔を見た時、目に入った大野の唇


「お、大野!?唇……なんか、紅いよ?」


「ん?」


「わ、わたしのリップクリームが大野に付いちゃったんだ……ど、どうしよう!?」


「マジで?」


少し慌てた大野は手の甲で自分の唇をゴシゴシ擦ると、


「これで大丈夫か?」



そう言ってわたしを見た。


「大丈夫……って、ちょっと見せて」


顔を近付ける大野の唇に紅い色が残っていないか、じっと見つめるわたし。





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