色つきリップ〜紅い唇〜
 


ベンチに戻ってきた大野には


気安く話しかけられない


昔からそう


わたしはいつも遠くから見ているだけで……


大野は黙ってわたしのつけていたスコアを見て


『リバウンドが弱い。もっと突っ込め』


『相手の5番、ゴール下ではマーク二人な』


部員達に指示を出す。



ねえ大野?


すごくカッコイイ。


わたしバスケットやってる大野を好きになったんだよ。


見ているだけで幸せだったんだよ


それは今も変わらない


頑張る大野をずっと見ていたい


側にいるだけでいい




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