色つきリップ〜紅い唇〜
 

「なんだよ、こんなところに居たのかよ」


不意に教室のドアが開いて振り向けば、クラスメートの大野 真治が居て。


バツが悪そうに笑うわたしの隣に近づいて来ると


「部活、サボッてばかりいんなよ」


そう言ってわたしの頭を軽くたたく。


「だって」


マネージャーの仕事なんてそんなにやることないし、そう言い訳をしようとしたわたしの言葉より早く、


「お前が居ないと、困るんだよ」


真剣な顔で大野がそんなこと言うから、思わず「ごめんね」なんて言っちゃったりして。




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