色つきリップ〜紅い唇〜
そんな大野は
いつもと変わらなくて
やっぱりわたしの『好きな人』で
さっきまで
大野に触れられていた胸が
ドキンと
大きく音を立てる。
「美咲、お前さ、なんで部活来ないの?」
「……ごめんね」
「答えになってない」
黙ったまま俯くわたしに、大野が問い掛ける。
「……部活、嫌いか?」
わたしは黙ったまま首を振る。
「オレといるの、嫌か?」
思わぬ問い掛けに驚いて、大野を見た。
「オレのこと、もう見るのも嫌か?」
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