色つきリップ〜紅い唇〜
 

ねえ
大野
教えてよ
どんなつもりなの?


彼女いるくせに
キスするなんて


これから
わたしはどうすればいい?


昨日までの二人に
戻りたいよ……


「……『大キライ』なんて言っちゃった」


そう呟いた瞬間、頬を伝った涙の雫が胸元に滑り落ちた。


雫で濡れた胸元に手をやった時、不意に大野のぬくもりを思い出した。


怖かった


でも


心のどこかで


わたしは……?


胸元に置いた手に


嫌でも伝わってくる『ドキドキ』


大野にも
この『ドキドキ』


聞かれてしまったのかな……?



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