色つきリップ〜紅い唇〜
 

「今日さ……」


彩香がゆっくりと話し出す。


「うん」


わたしは彩香の次の言葉を待つように、相槌を打つ。


「今日さ、美咲と会う約束が無くなったでしょ?
それでわたし、お詫びのつもりで今日斎藤くんと一緒に帰ってハンバーガーおごったのね」


「うん」


「そこで、たくさん話をして……」


「何の話をしたの?」


「……美咲の話をたくさん聞いたよ」


「え?」


「美咲のこと、斎藤くんがどんなに好きなのか痛いほど伝わって来たんだ」



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