色つきリップ〜紅い唇〜
 


カチカチカチ……


毎日規則正しく動く時計は


今日も正確にわたしの時間を切り刻む。


カチカチカチ……


そのゆっくりとした秒針に合わせてシャープペンシルをノックした時、短くなったシャープペンシルの芯が折れた。


芯のないシャープペンシル


それだけじゃ何も出来ないのに


キャラクターのクマはいつものように笑っていて


「まるでわたしみたい」


呟いた後、泣きたくなった。




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