色つきリップ〜紅い唇〜
 


鼻唄を口ずさんで、ママは楽しそうにわたしの隣を歩く。


楽しそうなママと歩いていると、なんだかわたしまで楽しくなる。


「ママ、仕事でいいことでもあったの?」


思わず口数まで増えるわたしは、なんて単純。


「なにもないよ〜。大変なことばっかり!」


おおげさな身振り手振りで大変さをアピールするも、どこか可笑しくて。


「そんな風に見えないよ?」


声を上げて笑って言った。


そんなわたしを見て、ママは優しく微笑む。




< 88 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop