色つきリップ〜紅い唇〜
鼻唄を口ずさんで、ママは楽しそうにわたしの隣を歩く。
楽しそうなママと歩いていると、なんだかわたしまで楽しくなる。
「ママ、仕事でいいことでもあったの?」
思わず口数まで増えるわたしは、なんて単純。
「なにもないよ〜。大変なことばっかり!」
おおげさな身振り手振りで大変さをアピールするも、どこか可笑しくて。
「そんな風に見えないよ?」
声を上げて笑って言った。
そんなわたしを見て、ママは優しく微笑む。
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