色つきリップ〜紅い唇〜
 


「羨ましい?」



ママは大きく頷いて、ニッコリと笑った。


「いろんな答えを出せる『可能性』が美咲の中にあるってことだもの」


ママがわたしの背中を軽く押した。


「ガンバレ、美咲!」


押された背中に羽根が生えたように、体も心も軽くなった気持ちがして。


もう、ママには敵わない


隠していたつもりの涙も悩みも


全部お見通し?


本当、恥ずかしいや


でも


悩んでいいんだ


泣いていいんだ


もっと


迷っていいんだ


いつか答えに辿り着ける


その日まで……




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