色つきリップ〜紅い唇〜
 


そう言って抱き寄せてくれるママのぬくもり。


とても暖かくて、安心する。


「美咲は変わったよ。今まで自分から『欲しい』なんて言わない女の子だったのに、今日は言えたじゃない」


ママはわたしの手の中のリップをそっと見つめながら、


「少しずつ変わってちょうだい?でないとママ、淋しいわ」


そんなママの言葉を聞いて泣いてしまうわたしは、まだまだ子供なのかもしれない。


でも感じる、居心地の良さ。


チョウチョになれる日を夢見ながら


サナギは今日もその暖かさに包まれる




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