『あの頃 僕たちは』(詩集)
缶コーヒー
彼と別れた 帰り道
真っ赤に腫れた瞼をおさえ
視線を落とした その先で
いつもの堤防に座り込み
ワタシを呼ぶ君がいた
相変わらず ぶっきらぼうな態度で
缶コーヒーを差し出すと
二人は言葉もないままに
沈む夕日をただ見詰めた
しばらくして
『お前と同じ事を考えてたから、同情するみたいで 励ましなんて言えないや…ゴメン…』
そう呟いて
君はそっと 溜息をつく