ライナーアンドザ・スカイ
看護師さんに言われた通り、三階までやってきた。
クレマツ先生の言った通り、ほんとに見舞いなんだ。
部屋の番号を聞かなかったから、三階をとりあえず一周してみた。
晩飯時でもっと賑やかかと思ったけれど、想像していたより静か。
「いないな……」
つい、独り言。
黙ってうろうろしていると不審者だと思われそうで。
閉まっている病室を覗くわけにもいかないし。
そんなことを考えながら廊下の真ん中で立ち尽くしていたとき
ガラッ
進行方向に、病室から出てきたらしい担任が現れた。
「あ」
俺の声に反応して、担任がこちらを向いた。
「秋山、なんで……」
その表情は心なしか暗い。
「終わりました」
左腕を少し上げて見せた。
「ああ……いくぞ」
「はい」
エレベーターに向かって歩き出した担任に追い付こうと、早足で俺も向かった。