ライナーアンドザ・スカイ


「あいつは容赦ないからな。

本当は会長なんてガラじゃない」


いつの間にか弱まった風。

それでも落ち着いて煙草を吸える風じゃない気がする。

吸ったことないからわからないけど。

会長は特に気にする様子もなく煙草を吸っているが、髪が少し邪魔そうだ。


「だからあんまり会長って呼ぶな。先輩と呼べ」

「じゃあ先輩、今日は髪どうするんですか?」


姉も妹も肩より少し長いくらいの髪型だから、このくらいの方が慣れている。

この長さで今までのようなお団子は難しいけれど。


「その腕で?」

「別に、平気です」

「ふーん」


一応、心配してくれているのだろうか。


「でも、もういらない」

「え」

「面倒だし」


え?


「このままの方が楽」



「だからもう、解放してやる」


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