ライナーアンドザ・スカイ


一言「わかりました」と言って、屋上を出た。

ドアを閉め、薄暗い空間に溜め息をつく。

階段を下り廊下に出ると、ガタンという音が響いた。


それは生徒会室のドアが閉められた音だった。


「副会長……」


怪訝な目つきでこちらへ歩いてくる。


「ああ、さっきの」


俺まで数メートルに迫って、突然合点がいったような顔をした。


副会長はそのまま俺の横で立ち止まり、俺の顔をしげしげと眺めた。


「ふられたのかな?」

「は……?」

「そんな顔してるよ、君」

そう言って涼しげに微笑んだ。


ふられた?


冗談じゃない。


今自覚したばかりだっていうのに。

< 128 / 220 >

この作品をシェア

pagetop