ライナーアンドザ・スカイ
教室に戻って少しして、成瀬がにかっと笑みを浮かべやってきた。
「入部届出してきた!」
「本当に、本気だったんだ……」
嘘だったら俺の腕、救われないけど。
「あー早く花とか植えてー」
わーうれしそー。
自分の席に戻る後ろ姿からさえ、それが伝わってくる。
さっさと席についたかと思えば
『花と会話する100の方法』というタイトルの本を、机から出して読み始めた。
「……」
もう、言葉に出来ない。
本日二度目の溜め息をついたそのとき。
前の席の女子、青木さんが突然振り返った。
「あの……」