ライナーアンドザ・スカイ


教室に戻って少しして、成瀬がにかっと笑みを浮かべやってきた。


「入部届出してきた!」

「本当に、本気だったんだ……」


嘘だったら俺の腕、救われないけど。


「あー早く花とか植えてー」

わーうれしそー。

自分の席に戻る後ろ姿からさえ、それが伝わってくる。

さっさと席についたかと思えば

『花と会話する100の方法』というタイトルの本を、机から出して読み始めた。


「……」


もう、言葉に出来ない。


本日二度目の溜め息をついたそのとき。

前の席の女子、青木さんが突然振り返った。


「あの……」



< 129 / 220 >

この作品をシェア

pagetop