ライナーアンドザ・スカイ

恋の嵐



大変な生徒会の仕事。

雑用係。

俺、既にやってる気がする。


「終わったな」

「うん。終わった」


それも、もう終わりだけれど。


うっそうと繁っていた草から解放された裏庭は、ちょっと殺風景な気もするが、そんなことはどうだっていい。

梅雨入りする前に終わって、本当に良かった。



「……告白するんだよね?」

「ん?」

「呼んできてやるよ。どうせここも見てもらわなきゃならないし」


俺は走り出した。


好きだと自覚してからも、会長が顔を出せば黙って成瀬に譲ってきた。

生徒会の誘いを断っているのだって、成瀬への遠慮がないとは言えない。


この仕事が終わってしまったら、もう会長との接点は何もないんだ。



だから、せめて今少しだけ―――

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