ライナーアンドザ・スカイ


生徒会室のドアを叩いた。

中から聞こえた返事に少し顔をしかめる。

だが迷わずドアを開けた。


「あれ、生徒会に入る気になったのかな?」


窓際に寄り掛かっていた副会長が、眼鏡を直しながら言った。

一人、漫画を読んでいたらしい。

生徒会……本当に忙しいのか?


「なってません。会長どこですか」

「つれないなあ。あいつなら職員室に行ったよ。多分二階の」

「どうも」


勢いよくドアを閉め、相変わらず散らかっていた生徒会室と憎たらしい男を視界から消した。



急ごう。

別の場所に移動されたら面倒だ。

そう考え、階段を駆け下りている最中。


幸いにも、三階と二階を繋ぐ階段で捕まえた。


「先輩!」


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