ライナーアンドザ・スカイ


泣きじゃくる優香ちゃん。

見かねた成瀬は、帰り支度をして送って行った。



残された会長と俺は裏庭を一応確認。

もちろんOKが出て、俺と成瀬は晴れて解放された。


「まさかあれが成瀬の元カノとはな。
てっきり一昨日振ったやつのかと思った。
高校一緒だったし」


「大変ですね。いろいろ。でも何かかっこよかったですよ。『自分が悪い』って」


俺は結局のところ、成瀬を言い訳にしていただけだったのかもしれない。

成瀬に遠慮する理由がなくなって、その下にあったものが露わになった。

過去に捕まったままの自分を、友達を応援する自分で覆い隠していただけだったんだ。



会長は俺に背を向けて言った。


「悪いことしてかっこいいわけあるか」


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