ライナーアンドザ・スカイ


そういうわけで。

ふられ……た?わけだけど。

俺は気持ちを利用されたのか?

元々俺に頼む予定だったのか?


どちらにしても、また生徒会の手伝いを引き受けてしまった。

この流れで、頑なに断ってきた生徒会入りもあり得そうでちょっと怖い。



教室に戻ると結果を報告し、成瀬を誘ってみた。


「成瀬も手伝いやろうよ」

「俺は部のガーデンカフェで忙しいんだよ」


ガーデンカフェ……


「いいだろ。
シンゴは会長と親交深めてろよ。
俺は青木ちゃんと仲良くやってるから」


仲良くできるのか。青木さんと。

俺の疑念の目には気付かず、成瀬は次の時間に提出する俺の課題を必死で写している。


「おまえ、会長のことはもういいのか?
俺に遠慮とかいらないよ?」

「二兎を追う者は一兎をも得ずってな」


確かに。成瀬にしては賢明な判断だ。


「でも、親交を深めるってもなあ」



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