ライナーアンドザ・スカイ
「形から入ってみれば?俺みたいに」
「形?」
会話しながらも猛スピードでペンを走らせる成瀬。
こいつの書写の速さは凄いと思う。
小学校から毎日のように俺の宿題を写してきただけある。
「まず敬語をやめる」
「相手は三年だよ?」
「あと、名前で呼ぶ。
『ちゃん』とかつけて可愛い感じに」
そんなことして俺、命大丈夫だろうか。
「……逆に距離が遠くなりそう」
「近くも遠くもねーよ。
ゼロか一、好きになってもらえるかもらえないかのどっちかだろ」
そう言って大きく息をつき、成瀬はペンを置いた。