ライナーアンドザ・スカイ

街談巷説その真偽



結局会議が始まったのは、その三十分後だった。


その間何をしていたのかといえば、皆で漫画を読んでいた。

俺も読んでた。


「まず、現状の確認」


会長が口を開いた。


「今年の全体設営は一年の担当先生方にかけあって、各クラスから希望者含む五名ずつを借りられることになったよ」


「かなり仕事が減りますね」


「うん。ただ、設営が始まったらその指揮に役員一人当てる。それは顔の広い副にやってもらいたいんだけど」


「僕?僕の趣味で装飾しちゃうよ?」


「完成予定図は出来上がってるからその通りによろしく」


「なーんだ。了解」


「一昨日提出あったボランティア部の希望だけど、ちょっと通りそうにないな。
今のところ希望が出てるので問題があるのはボランティアだけだね。
そことまだ希望の出てないところの確認は、書記二人でよろしく」


「はい」

「わかりました」


「雑用はみんな当分漫画のチェックよろしくね。漫研の部長がまだ増やしたいとかほざいてたから大急ぎで」


「はーい」


どうやら漫研が漫画喫茶をやるらしく、そこで使われる漫画を全てチェックしているらしい。

先生たちの提示した「こういう描写がある漫画は駄目」という項目リストに従っている。

生徒会室にあるだけでも数百冊。

漫研使用予定の教室にはまだまだあるというから気が遠くなるような作業だ。


皆さんサボっているわけではありませんでした。




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