ライナーアンドザ・スカイ


「そろそろ真面目に動かなきゃいけないのが体育館関係だね」


「何か呼ぶのはやっぱり無理?」


「うん。公立だし。
そんな金はやっぱりないってよ」


「毎年来てくれてるアームレスリングの人とカラオケ大会だけじゃ埋まりませんよ」


「ひとつ当てがある」


「え!?」


淡々と進んでいた話し合いの中、会長の言葉に役員一同声を上げた。

俺は雑用のみんなとひたすらに漫画を読んでいたのだけれど、驚いてつい注目。


「二番目の兄の友達にバンド組んでる人がいるんだけど、インディーズのわりに結構売れてるみたいでね。
兄に中継ぎ断られたから直接交渉しようと思うの。予算はないからもちろんタダで」


「売れてる人たちがタダでやってくれるのかなあ?」


「やってみなきゃわかんない。とりあえず、日曜にアポ取ってるから行ってくるよ」


「じゃあ演劇部への交渉はどうしますか?」


「引き続き。賞貰える力があるのにステージ使わないなんてもったいない。
それから他にも案考えといて」


会長はガラじゃない、なんて言っていたけれど。


その後も会長の先導で話し合いはどんどん進んだ。


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