ライナーアンドザ・スカイ
勢いよく飛び出したものの、園芸部が何処で活動しているのかすら知らない。
俺は少し考えて、成瀬にメールした。
『園芸部って今どこで活動中?』
『部室。なんで?』
『会長のおつかい。今から行くから』
送信完了の文字を見てケータイをしまい、部室がある別棟へ。
部活をやっていない俺は初めてそこに足を踏み入れた。
そして目を疑う。
あまりの汚さに。
一階は運動部の部室が入っているのだろう。
左右にいくつもの部室が並んだ廊下には、球という球が転がっている。
何かと汗が混ざっているのか、なかなかひどい臭いを発していた。
壁や床は薄黒いけれど、元は違う色だったに違いない。
会長に進言してみよう。これはあんまりだ。
臭いに顔を歪めながら階段を上がると、景色も一変し、そこにはきれいな空気があった。
少し散らかっている印象も受けるけれど、一階に比べたら何てことはない。
真っ直ぐな廊下の壁に『園芸部』の文字を見つけ、ドアを叩いた。
すると中からドアが開き、成瀬が顔を出して言った。
「メール見たか?」