ライナーアンドザ・スカイ


「おまえ、陽南の新しい男?」


リーダーがにやりと笑う。

俺は思い切り首を横に振った。


「まさか」

「違うのか」


今度は縦に振った。


「あいつ好きな男の前では猫かぶるからなー。素を出して付き合える相手が見つかればいいんだが」

「そうなんですか?」


その法則でいくと、副会長は違う……


……俺もだけど。


「本人は無意識らしいけどな。
前の男が姿くらませたときなんてひたすら泣き続けたかと思ったら、精神的なもんなのか知らねーが猫かぶったままそのあと一か月くらい元に戻らなくてよ。
総長も俺らも参ったぜ」



……なんだそれ。


「お、戻ってきた。じゃあ帰るか」


会長が部屋に入ると、「KS」のメンバーは各々荷物を持った。


「ちょ、何帰ろうとしてんだよ!
まだ話の途中だろ!」

「話はついた。そこの彼に訊け。
ここの金は払っておいてやる」


リーダーは残っていたドリンクを飲み干して、既に部屋を出たメンバーを追った。


「は?」


会長は俺を思い切り睨んだ。






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