ライナーアンドザ・スカイ
君が云った×××
会長のスカートのポケットに、静かに手を入れた。
携帯灰皿を取り出し、その中に煙草を入れる。
それを元のポケットに戻し、そのまま音を立てないように屋上から出た。
その足で向かったのは生徒会室。
ノックもせずに開けると、いつもは避けて通りたいお目当ての人がいた。
「やあやあ、お仕事しに来てくれたのかな?熱心で助かるよ」
「教えてください」
「え?なにを?」
俺は副会長の腕を掴んで無理やり廊下に連れ出した。
「な、なに、どうしたのさ」
漫喫が入る予定の空き教室まで引っ張り、鍵を開けさせ中に入った。
「会長のことです」
静かな教室で、小声で話した。
先日、廊下まで小さく聞こえていた会長と副会長の会話を思い出す。
「大丈夫だよ。この間も言ったけど、僕あいつのこと好きじゃないから」
「そんなこと聞いてません」
「あれ、違うの?」
副会長は眼鏡を直して首を傾げた。
「会長が、前付き合ってたひと知ってますか」