ライナーアンドザ・スカイ


続かないって……

俺が、それ原因で恋愛出来なくなったって知ってて言うんだもんな。

容赦ないよ。


「俺の気持ちの行方を勝手に決めないで欲しいなー」


そう言い返すと、いつもなら昼休み終了を知らせる鐘が鳴った。

切り忘れたのだろうか。

ライブに水差さなきゃいいけど。


会長は立ち上がり、俺に鍵を差し出した。


「あげる」

「何の鍵?」


とりあえず受け取った。


「ここの。もうここ、来ないから」


一歩踏み出した会長の手を、咄嗟につかんだ。


「俺が来るから?」


やっぱり、用もなくここに来られるのは嫌だったのかな。

会長の邪魔をしていたのかな。


急に距離が遠くなった気がして、手に力を込めた。



「煙草がなくなったから」

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