ライナーアンドザ・スカイ
まさか……!
咄嗟に手をついていた木の陰に入り込む。
「成瀬っす。
呼び出してすんません」
やっぱりだよ。
今の声の主は、会長サマらしい。
どういうつもりなんだ?あいつは。
俺にはひとの告白現場を盗み見る趣味なんてないってのに。
しかし告白の邪魔に入る趣味もない。
俺は仕方なく木を背にしてしゃがんだ。
カサカサと小さく音を立ててしまったけれど、二人がいる場所には届かないようだ。
草はしゃがむ俺の肩まで伸びていて、鼻をくすぐられている気分。
草のにおいがする。