ライナーアンドザ・スカイ





怖くて、顔を見れない。


のばした小さな手がドアに触れる。

微かに震えるその手に、胸が締め付けられた。

会長の想いと、俺の想いとが心の中で渦巻く。


このドアが開いたら、もうさよならだ。


その中へ消えてゆく姿を見送ることなんてできない。


たまらず目を閉じる。



ドアが開き、閉まる音がした。





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