ライナーアンドザ・スカイ
いたらいたで、どうしていいかわからないけれど。
今日は会長がいないみたいだ。
それで会長の分も、副が指揮を執っているのかもしれない。
だからと言って、俺に副が動かない分まで動けるわけもない。
ポケットから、昨日貰った鍵を出してみる。
屋上は好きだ。
でも、俺は会長がいない屋上を知らない。
それはどんな場所だろう。
考えたら、真っ白になった。
意識はもちろんはっきりしている。
はっきりしているだけに、余計空しかった。
けれど。
そんな気持ちなんか全部無視をして、俺の体はいつも通りにドアのノブを回す。
ガチャ―――