ライナーアンドザ・スカイ


な、なんでいるの!?


「か、会長……鍵は」


会長はポケットに手を突っ込み何かを取り出すと、それを俺に向かって投げつけた。

かろうじて避けるも


「あぶな……!」

「スペアだよ!」


と怒鳴る。


俺、何でこんなに怒られてるんだ?

感謝されてもいいくらいだと思うのに……


「何をそんなに怒って……」


訊く暇もなく会長はすごい剣幕で俺に迫ってきた。


「な、なんですか」


俺の胸倉を掴み、勢いよくフェンスに背中を押し付けた。

抵抗しなかったとはいえ、20センチは身長が違うはずなのに。



力強いな……

なんて思いながらその顔を見てぎょっとした。

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