ライナーアンドザ・スカイ
俺と目が合って、会長は胸倉をつかんだまま俺の胸に顔を隠すように埋めた。
俺は思わず背中に腕を回しそうになって、止めた。
「……何で泣いてるんですか」
そのまま体を震わせ、幾分か過ぎ、小さく呟いた。
「先生とさよならした」
「なっ!どうして!!」
せっかく会えたのに!!
「それはあんたに関係ない!」
切ない声を張り上げた。
「もう終わりだったんだ。仕方なかった」
震える小さな肩を黙って見ていられない。
「腕、まわしても?」
何も答えないのをいいように解釈して、そうした。
確かに俺には関係のないことかもしれない。
でも、こんなになってしまうような辛い別れであったことは間違いなくて。
俺はやっぱり、あの男には敵わないのか。