ライナーアンドザ・スカイ
「高いとこで一つにして」
ポニーテールか……
この多い髪を一つにするのは至難だな。
ごわごわの髪をとりあえず手で一つにして、高さを確認する。
「このくらい?」
「もっと上」
「えっと、じゃあここは」
「そこ。
すぐ落ちてくるからきつく結って」
頭頂部付近で一つにして茶色いゴムで結う。
もしかすると、ちょっと前までこの位置で結んでいたのかもしれない。
思っていたよりもすんなりまとまった。
「できた?」
「あ、はい」
無事結い終えて、ほっとした。
このまま解放されるのだろうか……
彼女は手で触ってポニーテールを確認すると、おもむろに立ち上がった。
「ありがと」
そう言ってドアへと歩き出した。
歩きながら、右手首につけていた青地に白いドットの入ったシュシュを外す。
ポニーテールを結び目を中心に丸めて、シュシュで結んだ。
見覚えのある後ろ姿に、俺は目を見開いた。